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童具共育2005年夏号

和久洋三の「童具館」は、積み木・木のおもちゃなどの「童具」によって子どもたちの創造力と共生意識を育てます。
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童具共育
 
「童具共育」は、童具についてのさまざまな情報、最新情報をお届けする情報誌です。
特集記事、和久洋三のエッセー、読者からの体験記、投稿写真、アトリエ紹介などまた、定期購読者には、WAKU-SHOP通信、積木イベント、ワークショップ、夏アトリエのご案内もおこないます。
  発行:年4回(4,7,10,12月)です。
  仕様:A4判、カラー4ページ
  会費:2年分(当年+翌年)で1,000円(税込、送料込)です。
  お申込み方法:こちらをご覧下さい
  または、もよりの童具取扱店か、童具館に直接お申込ください。
※発行年度は、当年4月〜翌年3月です。「童具共育」は、発行年度の途中に入会された方には、4月(春号)にさかのぼってお届けします。ただし、3月1日以降にお申込みされた方には新年度分(4月)からお届けします。

2005年夏号・もくじ
特集 「幼稚園・保育園での積木遊び」
和久洋三のわくわくメッセージ
  子どもの力を引き出す積木
積木遊びは
  赤ちゃん頃からはじめるものだと思います
特集の一部は「子どもの発達と童具 ―幼稚園・保育園での自由あそび―」でご覧いいただけます。

子どもの力を引き出す積木

 

 教育界では、子どもに集中力や注意力がないのは当然とされ、子どもたちを魅き付けるさまざまな指導法が編み出されてきました。結果として、いつも大人の意思が優先され、いつの間にか子どもたちの自発性→自主性→主体性が失われ、指示待ちの子ども達が量産されています。
 しかし、<WAKU‐BLOCK>で遊ぶ子どもにそんな心配はまったくありません。人間が幼いときから持っている創造欲求を満たすこの積木があれば、1時間でも2時間でも子どもは集中します。仲間との協調性も、モノを大切に扱う心も、自発性も、注意力も、創造力も、しぜんに育ちます。
 そんな子どもたちを保育園や幼稚園で私はたくさん見てきました。その中で指導者の誰もが口にする言葉「子どもにこんな力があると思ってもみなかった!」 どうぞこの積木を子どもたちにプレゼントして、人間の底知れぬ可能性を発見してください。子ども観も保育観も一変する筈です。


積木遊びは
赤ちゃん頃からはじめるもの だと思います

 伊達保育園で赤ちゃん童具と積木を保育の中に取り入れるようになったのは5年程前です。当時、私は1歳児クラスを担当していましたが、初めて積木を手にした時、「これは、この子たちには早いかな」と思いました。硬くて重みもあり、角を面取りしていないため、投げたりしたら危険だと思ったからです。でも今は「この時に積木をしまわないで良かった」と思っています。なぜなら、小さい頃から童具で遊んできた子とそうでない子では、大きな違いが見られたからです。
 赤ちゃん童具は、赤ちゃんの手にぴったりなじむ大きさで、球形のものが多く、月齢に合わせて遊べるようにできています。月齢の低い子は、<さらんぼ><ちゃこ><じゃん>を歯固めとして噛んだり、振って音を出したりして楽しみました。それもひとつで面白いほどよく遊びました。月齢の高い子は、<とんねる>でよく遊びました。名前を呼ばれても気づかないほど集中して遊んでいました。
  赤ちゃん童具であまりにもよく遊ぶので、<WAKU‐BLOCK45・立方体>という積木を出してみました。子どもたちにとって積木は初めてのおもちゃです。まず、なめて、かんで、それから当然のように積むよりも前に投げました。私たち保育士も随分痛い思いをしましたが、その都度、言葉をかけました。
 やがて投げなくなったので、毎朝15分ずつ積木を出すことにしました。すると、積木を車や電話にみたてて遊ぶことをはじめたのです。その頃、<ねじっこ>のねじ回しが上手にできるようになり、<カラーボール>をお椀の中で上手に回せるようになりました。さらにひとりが積木をひとつ積んで2段にしました。手をたたいて喜ぶ私たち。それを見て、その子は積木をもうひとつ積んで3段にします。私たちが喜ぶ様子を見て、本人も手をたたいて満足そうです。その姿を見て、他の子も積木を積みはじめました。私たちも一緒に積むことを楽しみ、気がつくとみんなが積木を高く積んでいました。
 1歳児クラスでは、「みたて遊び」や「連続もよう遊び」を繰り返し楽しみました。2歳児クラスの夏前には、ピラミッドのつくり方を理解し、自分たちでつくるようになりました。高いタワーをつくり、ビーズやモザイクで飾るようになりました。さらに、それらを積木の道路でつないで街をつくることも楽しむようになりました。2歳児の終わりには、さまざまな形の積木を組み合わせてお城をつくったり、保育士がつくったものを見て同じものをつくりだす子さえいました。
 子どもたちが積木遊びをする時の集中力と嬉々とした様子は、目を見張るものがありました。例えば、数人でひとつのものをつくる時、ひとりひとりが集中しているので崩れるということがほとんどなく、お城やピラミッドがどんどん大きくなっていきます。さらに、それに改良を加えて、刻々と新しいものに変化させていきます。積木遊びの経験が豊かであればあるほど、どのようにしたら崩れないか、どの形を組み合わせたら自分の表現したいものになるかなど、あれこれ考えているのです。表現したいものができあがると達成感が得られ、ますます集中力を発揮して活動が持続していきます。
 子どもたちの様子を見ていると、「積木遊びは赤ちゃんの頃からするものだな」と思います。赤ちゃんの頃に赤ちゃん童具に親しみ、積木をなめて、かんで、形を確かめておくと、「みたて遊び」を経て、高く積むことを楽しみ、横につなげていくことを知り、段々と立体的なものをつくりだすようになっていきます。「積木遊びは赤ちゃんの頃から始めないともったいない」とさえ思うようになりました。
 伊達保育園では現在、週案をたてる時に必ず童具遊びを組み込んでいます。未満児では、その日の子どもたちの様子を見て童具を取り入れています。以上児は、テーマを決めて造形していく場合と、全く子どものセンスに任せる場合があります。
  3歳児は、<わくわくトレイ>や<収納箱>を使って塔やお城をつくることと、<ケルンモザイク>を使った「パターン遊び」が楽しいようです。4歳児は、椅子の上に乗って高い塔をつくったり、マンションをつくったりすることに夢中です。年長さんは、大掛かりな街やお城をつくることが楽しいようで、止めなければどこまでもエスカレートしていきます。
 子どもたちがつくりたいものを思い描いて形にしていく姿は、とても微笑ましいものです。その豊かな創造力を伸ばしていく為に、私たちも一緒に学びながら、子どもたちと童具遊びを楽しんでいこうと思っています。

 

執筆者
伊達保育園(宮崎県延岡市) 
4歳児担任  小野美幸先生
積木とカラーボールで一緒に遊ぶ1歳児    

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