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和久洋三「創造共育宣言」 第1章 新しい子どもの誕生@

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子どもをとりまく環境の重要性

 子どもは身のまわりの環境を貪欲に吸収しながら成長します。どんな環境の中で育てられるかによって決定的な影響を受けることになります。
 子どもを虐待する親のほとんどは自らが幼い時に虐待された経験をもっていることを彼女達の手記を読んで知りました。
 自分はなんとしても幸せな家庭を築こう、子どもに愛を惜しみなく注ごうと熱い思いを持って結婚し、子どもを生み育てるのですが、一度抑制の糸が切れると自分がされたことと全く同じことを我が子にしてしまうことが述べられています。「ああ、この子もまたわたしと同じことを子どもに繰り返す親になってしまう」と分りながら、自分自身を押さえきれない哀しみが綴られています。
 このように幼児期に吸収された心理的な影響は、ずっと後になって結果が現れてくることがほとんどです。すぐに結果を求めようとする早教育者や親たちはこのことをしっかりと肝に命じるべきです。
 それは身体の栄養分についても言えることで、成人して歯や骨のもろい人は幼少年期の飲食物にその原因があると言われています。また、自己抑制力のない青少年は子ども時代にテレビとテレビゲームを友としていた者に多いとも言われています。大切なことはどんな環境をわたし達大人が用意するかということになります。
 これは保育内容、教育内容に直接結びつく課題でもあります。
 じつは幼児教育においても、学校教育においても、ここが具体的に提示できていません。すでに<教育>の中で創造力を喪失した大人たちはゆとりの時間をどうしたらよいのか、「生きる力」をつけさせるためにどんな保育や教育を必要とするのか、それをイメージすることができません。
 WAKU-METHOD創造共育=WM創造共育はそのための具体策を提示するものです。

人間の本質にそった子育て

 教育に対する様々な方法を模索し、迷っている教育者たちに欠落しているのは<人間の本質=宇宙生命の本質>を極めようとしていないことです。
 教育、子育ては人間の本質、本性に合ったものでなければ、人間疎外を助長するだけのものとなります。それは喜びのない毎日を子どもに押しつける結果を招き、非人間的な行動に子どもを駆り立てることになります。現在、日本で次々に起きている少年たちの悲しい事件も大人の犯罪も、元をたどればそのために起きていることです。
 では人間の本質、本性とはいったいなんなのか。
 ひと言で言えば<愛と創造の生命>であるということです。<愛と自由を求める生命>とも言えます。自由を得るために創造力が用意されているからです。 感性は愛を求め、知性は創造を求めます。これが満たされ、生かされている時、人間は生きる喜びを実感します。明るく、素直で、積極的になり、他者に対しても優しい心をもって接することができるようになります。
 そしてやがて、宇宙の原理が<つながりによる大調和>、つまり<愛の原理>と同質のものであることを知り、創造力も結果としてそこに向かうための喜びに満ちた知的トレーニングであることが理解できるようになります。

 そこで子育てをする者にとって、教育者にとって、大切なことは子どもへの愛情が前提とはなりますが、いかに子どもの創造活動を保障するかという点にかかってきます。
 ここでひとつ確認しておきたいことは<創造的な生命>としての人間の活動・行動はすべて創造的な意図を含んだものであるということです。人による創造活動の差はそれが豊かなものか、貧しいものであるかの違いです。
 豊かな創造活動をする人間の精神は充実しますが、貧弱な創造活動しかできない人間は喜びに満ちたものとはなりません。
 生き生きとした人間とヤル気のない人間の差はここにでてきます。
 ではその創造活動を人間はなにを通してすることになるのでしょうか。なにを通して<発見+表現=創造>をくり返すことになるのでしょうか。

WM創造共育

 乳幼児を観察するとその答えは容易に見つかります。乳幼児は存在するものに注目し、これに働きかけることから創造活動を開始します。存在するものには、人間、自然物、人間がつくりだした物、の三界があります。
 じつはそのどれをとっても深く追求すれば、そこに<宇宙の摂理>=<生命(人間)の本質・本性>と同質のものが宿されているのですが、その姿がそれぞれにあまりに多様で複雑なために、洞察することが困難です。
 そこで誰にとっても最も理解しやすい<形あるもの=物体>を通して、創造活動に導きながら生命の本質、人間の本性が直観できるものとして考えられたのが<童具>です。
 わたしの出発はその童具を創ることからはじまりました。そしてWM創造共育はその童具を軸に展開されます。

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