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第1回 「生まれてくれてありがとう」

長浜 真理 様 寄稿

 私のおなかの中に、2ミリの白い点が見えたとき、涙があふれてきて、止める事ができませんでした。ぎゅっと抱きしめてくれた主人のぬくもり、電話口で言葉にならない程、泣いた姉の思い、今でも忘れられません。振り返ると、この日から、純大への家族の愛と子育てが始まっていたように思います。

きれいだね、くるくるまわってとまる。ふしぎだね。(生後1ヵ月)

 翌日から、<さくらんぼ>を、おなかのあたりにくるように、服の上からくくり、楽しい時、悲しい時、リズムをとる時など、事あるごとに鳴らしていました。
 「おもしろかったね」「びっくりしたね」とその都度、声かけが変わります。主人も、「今日もカラカラ鳴らした?」と聞いてきてくれました。見ているだけで可愛い<さくらんぼ>は、私自身が心地よい音色に癒されました。語りかけには、絵本を読みました。おなかの赤ちゃんに、私自身に、毎日読んでは、言葉と絵を楽しみました。目一杯楽しんだ絵本の中の言葉は、出産後も純大への語りかけのとき、状況に応じて、次々に出てきました。
 周りの方々は、いつも私の身体を気遣い、言葉をかけてくれました。こんな幸せな、楽しい妊娠生活を経て、2006年5月、「ほぎゃぁ」と元気いっぱいに、純大の誕生です。

すごい、すごい、ずいぶんつよくなったね。(生後2ヵ月)

 やっとやっと逢えました。滝のように流れる涙の隙間から、純大の顔を見つめ、様々な想いがかけめぐるなか、母となったこの時を強く強く心に刻み込みました。 そして、純大と<さくらんぼ>が出合う時がきました。私の母が耳元で鳴らします。
 「おなかの中で、ずっと聞いてた音よ」 

いつもいっしょ、ぼくのさくらんぼ(生後2ヵ月)

 母の笑顔が、目に焼き付いています。母が約二十五年間、愛し続けてきた和久先生の童具が、おばあちゃんから孫へと伝わる、受け継がれる瞬間でした。 そしてこれから一つずつ、和久先生の心のこもった童具に出合う事になります。
純大が五感(官)を通してどのように感じ、遊んでいくのか、見ているだけで、考えるだけで楽しい日々が続きます。 
 授乳のときごとに読んできた絵本は、一ヶ月半でじーっと見るようになり、二ヶ月になると、表紙を見ただけで笑い、好きなページでは、両手両足をバタバタさせるようになりました。

赤い鳥にみたてて語りかけます「純大くんおはよう!」(生後2ヵ月)

 人の気持ち(痛み)のわかる子に、豊かな心、感動できる心が育つように、それだけを願い、和久先生を信じ、母を信じ、遊びながら子どもと一緒に成長していきたいと思っています。

握りしめたまま、おやすみ(生後3ヵ月)
(次回へつづきます)

童具ダイアリー

お母さんが、純大くんの成長を遊んだ童具と一緒に記して下さいました。

5月6日(生後4日)
初めて病院で触れる。その後も、眠っている手にそっと握らせる。

5月26日(生後3週間)
片手で強く握りしめる。

6月11日(生後1ヶ月)
両手で握るようになる。

6月20日
自分から握ろうとする。目の前で振ってあげると、とても興奮する。

8月26日(生後3ヶ月)
自分から握り、舐めるようになる。感触を確かめるように、ずっと舐めている。

5月25日(生後3週間)
歌いながら回したり、一つはずして目の前にもっていったり、握らせたりしてみる。
二つ外してつなげカチカチならしてみせる。
赤と青のボールをじっと見つめる。

6月11日(生後1ヶ月)
両手で握ろうとする。
泣いている時に、そばに持っていくとじっと見つめ、くるくる回すとすぐに泣き止む。

7月15日(生後2ヶ月)
赤いボールをひっばりあう。
「おかあさんがひっぱるよ。次は、純大がひっぱってね」を繰り返す。
純大の引く力を感じて、一つの球と紐が母と子のつながりを気付かせてくれる。

8月21日(生後3ヶ月)
赤いボールを目の前で回すと、とても喜ぶ。よく笑い、興奮する。喜びの表現をするようになる。
ひっぱっては舐めて、舌で感触を楽しむ。

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