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子どもの発達と童具 ―積み木遊びの世界―

和久洋三の「童具館」は、積み木・木のおもちゃなどの「童具」によって子どもたちの創造力と共生意識を育てます。
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 積木をなめたり、打ち合わせたりする赤ちゃんの時代から、やがて、1歳前後になると積む活動に入っていきます。そして、「みたて遊び」のはじまる1歳半を過ぎ、2歳、3歳と成長するにつれて、積木遊びの世界は飛躍的に豊かになっていきます。
 積木で遊ぶ姿や、そこで交わされる言葉、完成した世界をとおして、子どもたちの成長・発達が見えてきます。ご家庭や保育園・幼稚園での積木の与え方や遊び方のヒントにして下さい。

なめる 倒す 積む 打ち合わせる

積木をつかんでなめたり、落としたりします(9ヶ月)。

9ヶ月頃はただただ積木を崩すことが面白い段階で、倒してはおおはしゃぎし、「また積んで」と催促し、積んでもらっては倒す繰り返しを楽しみます。

すぐに取り出せるところに積木を置いておくと、箱から出したり入れたり、積んだりして遊びます。立方体を3つ積んだ上にカラーボールを積もうとしているところです(1歳)。

積木を打ち合わせて、木のあたたかい音を楽しんでいます(1歳)。

高く積む 横に並べる 積み方の研究 高く積む
積木を高く積むことができると、とても嬉しそうに手をたたいて喜びます(1歳4ヶ月)。
子どもはドミノが大好きで、自分で直方体を横に並べて遊んでいます(1歳8ヶ月)。

6ヶ月の頃から積木に親しんできました。どうやったら積めるかと、積み方の研究をしています。見てください、この真剣な目つき(1歳8カ月)。

そして1歳7ヶ月になった時、なんと立方体を20個も積みあげました。

自動車 トンネルと汽車 ジュースを飲む ケーキをつくる

高く積めることが嬉しい時期を経過して、「みたて遊び」ができる年頃になると、
イメージを持って積木を重ねて遊びはじめました。汽車にみたてたり、電車にしたりした後、大好きな絵本「しょうぼうじどうしゃ・じぷた」を思い出して「じぷた!」といって大満足(1歳9ヶ月)。
直方体でトンネルをつくって、「しゅっぽっぽ」と4両建ての汽車を走らせています(2歳3ヶ月)。 「ジュースを飲む!」と思い出したように、「みたて遊び」(2歳6カ月)。
パターンボードに立方体を詰めると、「できた!」と嬉しそうです(2歳6ヶ月)。

ブリッジタワー ビル 建物

2歳半を過ぎると積木活動は急速に活発になります。お母さんといっしょに、直方体の高さを一致させながら積んで、高い「ブリッジタワー」をつくりました。

「僕の家ができたよ」と、お母さんに自慢そうに見せています(2歳児)。
二人で協力しあって高く高く積み、ビルをつくりました(2歳児と3歳児)。
「わくわくトレイ」に積木を詰めて、ケルンモザイクで飾ると素敵な建物ができました(2歳児)。

大きな建物 巨人 ピラミッド

3歳児になると大きな建造物をつくるようになります。収納箱の中に積木を詰めて、大きな建物に挑戦しています。

積木を高く積み上げケルンモザイクで飾って、人間の形をした巨人のようなものがきました(3歳児)。

「わくわくトレイ」で家をつくりました。直角二等辺三角柱で傾斜をつけた屋根が家の雰囲気を出しています(3歳児)。

直角二等辺三角柱を土台にしたピラミッドです。3歳半を過ぎると直角二等辺三角柱と立方体の関係が理解できるので、立方体、直方体、四角柱2倍体、3倍体も加えた丈夫なピラミッドがつくれるようになります。つくった後で積木の穴をあけて楽しんでいます。(立方体だけを用いると、1歳児でも取り組みます。)

高い塔 高層ビル 積木とケルンモザイクのパターン

3歳半を過ぎると、積木の数量的な関係性についての理解が深まるので、いろいろな積木の高さを一致させて組み合わせ、未来都市のような建築空間が楽しめるようになります。

お母さんとつくった高い塔です。大満足です(4歳児)。

小学生が3人でつくった高層ビルです。

3〜4歳を過ぎるとパターン遊びを楽しむようになります。

子どもの発達   ※発達の速度は子どもによって違いますので、参考データ、目安としてご利用ください。
6ヶ月〜1歳   1歳   1歳半

● おすわり、ハイハイ、ヨチヨチ歩きがはじまる。
● 手にしたもの(童具)をなめたり、いじったりして触覚による探究活動が盛んになる。
● 積木を収納箱から出したり入れたり、つかんだり、なめたり、カチカチ打ち合せをしたりして遊ぶ。

● ほとんどの赤ちゃんが歩けるようになる。
● 積木を数個積んだり、並べたりできるようになる。
● 大人に積んでもらった積木を倒したり、壊したりすることを喜ぶようになる。

● 2語文が出るようになる。
● 「みたて遊び」がはじまり、自分でつくったものに名称をつけながら遊ぶようになる。
2歳   3歳   4歳

● 積木遊びに集中する時間が長くなる。
● 「みたて遊び」が盛んになり、横に並べて電車をつくったり、高く積み上げて塔をつくったりする。
● 高低、長短、上下、半分(1/2)などの概念を理解しはじめる。

● 積んだり、並べたりして積木遊びに集中するようになる。
● 「パターン遊び」がはじまり、幾何模様をつくって遊ぶようになる。
● 直角二等辺三角柱と立方体の関係を理解するようになる。

● 上下、左右、高低、角度、数量、点線面、かたちの違いなどの数量的な関係や幾何学的情報を理解しながら積木遊びに集中するようになる。
● 生活を取り巻く様々な事象をかたちに表してダイナミックな表現ができるようになる。
● いろいろな模様(パターン)を自由につくって美への関心を深める。
● 何人もの友達といっしょに積木で遊ぶことを求めるようになる。
   
5歳   6歳〜学童期    

● いろんな童具を組み合わせてじょうずに遊べるようになり、1、2時間遊びに没頭する。
● 数量や図形への関心が高まり、簡単な幾何学的問題が解けるようになる。
 
● 様々な童具を組み合わせて精度の高いダイナミックな都市づくりができるようになる。
● 童具の数量的な法則を予測して遊べるようになる。
   

※こちらの内容は2004年「童具共育」秋号の特集にも掲載されております。




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