おもちゃの与え方 4/5
童具を上手に取り入れて楽しい子育てを
キャラクターおもちゃとの上手なつきあい
いくら親が積み木などで遊ばせたいと思っても、幼稚園に通う頃になるとテレビやアニメのキャラクターのおもちゃに夢中になって、他のものには見向きもしないお子さんは多いはずです。そうした時期には、やたらに禁止しても反発をかうばかりです。それよりも、上手に童具遊びの中にとり入れることをおすすめします。
考え方としては、童具でまず環境をつくっておいて、そこに入ってくるキャラクターを一緒に遊べるようにしてあげるのです。例えば、積み木(WAKU-BLOCK)でそのキャラクターのお城や町や、乗り物をつくるのです。
ただ、せめて、4、5歳くらいまでは、できるだけキャラクターものやゲーム機などは与えない努力をして下さい。童具とキャラクターを関係づけて遊ぶ楽しさは後まわしにして、まずは十分に積木の魅力に触れさせて下さい。
絵本と童具は子育ての両輪
童具での遊びが大切なのと同時に、もうひとつ、忘れてはならないのが絵本の読み聞かせです。絵本を小さい時からたくさん読んであげることは、言葉や感性を豊かにし、想像力や言葉の表現力を育てます。
人間は、言語と道具を発明して、文化を高めてきました。子どもにとって、それは絵本と童具にあたります。読み聞かせと童具による遊びは、子どもの成長になくてはならない二大要素です。
この二つを組み合わせると、イメージ(想像)の世界がより具体化されて子どもの心に強く印象づけられます。絵本に登場した動物や、友達、樹木、食べものなどを子どもは言葉でまだうまく話せなくても、なんらかのかたちで表現したいという欲求をもちます。その欲求を童具を使って具体化させてあげると、子どもはとても満足します。
積木でつくった犬や猫達は、目や鼻や口がついていなくても、たくさんのことを子どもの心に語りかけてくれるでしょう。童具で遊びながら、絵本のせりふをリズミカルに語ってあげるのも良い方法です。
こうした遊びを繰り返していく中で、自分でも童具でつくってみたいという意欲にかられ、つくりはじめます。その相互作用によって、より深くものごとをとらえる力をつけていけるようになるのです。
(和久洋三著/『おもちゃの選び方・与え方』より抜粋)
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